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2012年4月

地デジ。著作権保護の罠にハマる(1)

IT技術者たるもの、TVはパソコンで見よう。何年か前にそう思い立ち、テレビチューナーカードを購入して、自宅のPC(自作PC)に増設した。当時使っていたのはWindows Vista(64ビット版)Ultimate Editionで、Windowsに標準でついているWindows Media Center(いわゆるWMC)というソフトでTVを見ることにした。当初はTVを見るためにいちいちPCを起動するのは面倒だと思われたが、いつもWebやメールを見るために立ち上げていたので、特に気にならなかった。それどころか、結構便利だということに気付いた。WMCでは視聴だけでなく録画もできる。パソコンのハードディスクに、容量の限り録画でき、容量が足りなくなったら古いものから自動的に消して新しく録画してくれる。ハードディスクを増やしさえすれば、いくらでも録画できるのも良い。録画を予約しておけば、パソコンを休止状態にして電源OFFになっていても、録画時間が近づくと自動的に電源ONになり録画し、録画が終わるとまた休止してくれる、ということも分かった。(最初は知らなかったので、勝手にパソコンの電源が入るのが不気味だったが…)もう、テープに録画するビデオは要らなくなった。Windows7が発売されて、OSをバージョンアップしたが、WMCは何の問題もなく使えた。TVを見る環境に、不満はなかった。

ところが、ところがである!

地デジになって問題が多発した!

地上アナログ放送が2011年7月で終了するということで「あと1年か~、そろそろ地デジ化しよう」と思い立った2010年の夏。今まで通りWMCで地デジが見たかったので、Windows7の64ビット版に対応していてWMCでTVが視聴できる地デジチューナーを買いに行った。家電量販店の店員にも確認し、ちゃんと対応しているものを購入。自宅のPCにUSBで接続。WMCで設定。さぁ、見るぞ。。。

ハードウェアが対応していないというエラーが出て、TVが見れないっっっ!!(# ゚Д゚) ムッカー

ちゃんと対応しているものを購入したはず…だったのだが、しかし、違った。地デジのようなデジタルの映像著作物は、データコピーすると完全にオリジナルと同じものができてしまうため、自由にコピーできないように保護される。これはDRM(Digital Rights Management)と呼ばれる。録画データをファイル保存するときには暗号化しておき、録画した装置でしか再生できないようにガードする。Microosftは"PlayReady"という名前のDRM実装を提供しており、WMCが録画データをファイル保存するときは、これを使うことで、暗号化する。

ところが、保護はこれだけじゃなかった。PCとディスプレイの間、つまりケーブルの中を流れるデータ、これがコピーされたら(そんな装置があったら)意味ないじゃないか、というんで、ケーブル中のデータも暗号化することに決められているのだ。これはHDCP(High-Bandwidth Digital Content Protection)という方式で保護される。このとき暗号化アルゴリズムにはAESが使われる。当然、表示するディスプレイ側もHDCPに対応している必要がある。

そしてWMCは、受信した地デジ映像をディスプレイに表示する際、自分では暗号化処理はせず、グラフィックカード(のドライバ)に任せるようになっていることが分かった。結局、地デジをWMCで視聴するには、HDCPに対応したディスプレイ、AES暗号化ができるグラフィックボードが必要なのである。WMCのエラーメッセージは正しかった。ハードが対応していないと、地デジは見れないのだ。

幸い、ディスプレイはHDCPに対応していた。というか、フルHD(1920x1080ピクセル)表示できるディスプレイは、HDCPに対応していると考えて間違いない。だが、AMD派の私は、グラボもATI(現AMD)と決めていた。だけど当時はATIのグラボはAESに対応しておらず、地デジチューナーの箱にも「geForceシリーズが要る」みたいなことが書いてあった。渋々、安めのgeForceを購入し、自宅PCのグラボ交換となった。そうして、ようやくWMCで地デジが見れるようになった。録画も、できた。

これで、アナログ時代と同じことが地デジでもできるようになったぞ。…そう、思っていた。しかし、実は違った。数か月が経ったあるとき、

急に録画が見れなくなった!!(´Д`;≡;´Д`)アワアワ

Windows Updateで、グラフィックドライバを更新したが悪かったのか、それまで録画した地デジ番組がまったく見れなくなったのだ。録画を再生すると、一瞬音声が流れた後、真っ暗な画面、無音…一瞬画像が表示される場合もあったが、そのあとは真っ暗なまま。なんじゃこりゃーーー!!

いろいろ調べたら、録画データは、録画したパソコンでなら再生できるはずが、OSをインストールしなおしたりすると、録画ファイルを暗号化するための暗号化キーが失われるせいで、過去に録画したファイルは2度と見ることができなくなるのだ。グラフィックドライバが初期化されて暗号化キーが失われたのかもしれない。

そんなことあっていいのか!?

不正コピーを防ぎたいのはわかるが、本来見る権利を持つ者が見れなくなる場合もあるじゃないか。この時の私みたいに。本当に、そんなことあっていいのかよ!結局、PlayReadyをインストールしなおしたり初期化したり、いくつかのファイルやレジストリを消したり戻したりしたものの復旧できず。すべての手段をやりつくした後、負けを認めざるを得なかった。そうして、OSをインストールし直した。(一応、前のOSは残しておいて、新しいSSDにOSを新規インストールした形。)新しくインストールしたWindows7では、何の問題もなくWMCで録画も再生もできた。ただし、以前のOSで録画したファイルは当然ながら再生できなかった。はぁ~、著作権か。世知辛い世の中ですな。ブツクサ言いつつも、それ以降は特に問題発生せず、グラボ関連のUpdateはしないようにしているので、安定してTVの視聴、録画ができている。

HDCPの罠にはまったものの、地デジ問題はこれで解決したと思っていた。しかし、これだけじゃ~なかった。DLNA対応TVを購入してから、また著作権保護の問題にぶち当たった。DTCP-IPという罠が。。。(つづく)

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